吉兆を呼ぶ「鶴亀」


羽を広げる鶴、静寂を知る亀、鶴亀に潤いを与える水と光。大胆な表現は明日への躍動につなげます。そしてそこから吉兆が訪れるのです。松と石は単なる鶴と亀ではなく、動と静を生み出し今日のやすらぎと繊細な技術に支えられ庭にストーリーを与えます。          庭 師  羽 嶋 秀 一


石組としては古来から伝わる三尊石組とし、大きな手水鉢と、自然石灯篭を排しました。静寂の中で、手水鉢と長石の下の二種類の流れの音をお楽しみください。
庭師のバイブル作庭記は冒頭「石をたてん事、まづ大旨を
こゝろふべきなり」と始まり、37項目にわたり日本庭園
のいろはが記されています。そしてそのほとんどが石の扱
い方についての解説であり、樹木の使い方に関しての記述
は思いのほか簡素です。つまり庭の95%いや98%は石
の構成にあるといっても過言ではありません。
ひとつひとつの石の表情を読み取り、石が持つ気勢(勢い)
を表現しながら石同士の調和が保たれてこそ、日本庭園の
真骨頂。植栽はその石の調和を保ち活かす、装飾に他なり
ません。しかし、石、灯篭、樹木、空間すべてのアイテム
が「和を以って貴しと為す」ことで日本庭園の気品と、
奥ゆかしさにつながっていることに相違ないと思うのです。


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