「須弥山石組 九山八海の庭」(しゅみせんいしくみ くせんはっかいのにわ)

A社様ならではの豊富な石を活かすため、まずは須弥山の九つの山「九山」を、三組の「三尊石組」で構成しております。須弥山は想像上の山であるため、中央の三石が「現在」、向かって右側の三石が「過去」そして向かって左側の三石を「未来」という捉え方をし、施主様が石とともに過去から未来に続いていくという強い思いを込めた表現をしております。
次に、長石で表現した波は大きなうねりからさざ波、凪など色んな波で八海を表現し、海岸にたどり着いた波は滝組とした過去の三石組から流れ出る水に大小の石が洗われながら角が取れたやわらかな玉砂利となり波打ち際を静め彩りをもたらせています。
そして、九山八海を時空を超えて見守る存在が「一隅を照らす灯篭」となります。
更に、壁面石組の頂上部に設けた自然石灯篭からは、K湾の沖に浮かぶA町の人々の誰もが知るT島まで光を届けることのできる希望の燈火であってほしいとの願いを込めております。
今回、巨大な石のお庭を増設させて頂くにあたり、施主様の財産である多くの巨石石材があってこその須弥山石組 九山八海の庭となりました。
庭師としての喜びを感じさせていただくと同時に心から感謝申し上げます。


「一隅を照らす」

伝教大師最澄がしたためたこの言葉。
国の宝は一隅を照らす人のこと、一隅を照らす人とは、道を究めようとする人のこと。
庭が謙虚であるか。素直であるか。調和しているか。美しいか。そして何より誠実であるか。
庭づくは人づくりであり、心づくりである。
自然石灯篭は私自身であり、時代を超えて一隅を照らす庭として思いを込めたことを感じて頂ければ幸いです。


作業状況



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